大判例

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東京高等裁判所 昭和38年(う)997号 判決

被告人 附木一忠 外一名

〔抄 録〕

所論は、同被告人は原判示郵便物在中の現金を窃取する意思であつたもので、原判示郵便物自体を不法に領得する意思はなかつたという。なるほど、同被告人らが原判示郵便物在中の現金を抜き取りそれを窃取することを意図したものであることは記録上明らかであるが、同被告人らとしては右現金を窃取するためには、必然的にその現金を同封した原判示郵便物を同被告人らの支配下に置くことを必要とする関係にあり、かように在中の現金と信書とが封箴された郵便物として一体の関係にあり、前者を窃取するため、これを同封した郵便物を自己の支配のもとに置いた場合には、たとえ同被告人らにおいて右郵便物の信書、外被等は廃棄する意思であつたとしても、封箴された郵便物全体について不法領得の意思があつたものと解するに毫も差支えない。論旨は理由がない。

(三宅 井波 谷口正)

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